100人取材

【インタビュー#41】若き野球部と共に歩む整体師

北海道旭川市で整体師として活躍している小林孝弘さん。
自分の店を持って仕事をしている傍ら、旭川実業高校野球部のトレーニング指導も担っています。

整体師、そして高校野球部のトレーナー。
二足のわらじを履く小林さんから見える世界とは?

やりたいと思った夢を叶えて「整体師」へ

もともと自身も野球部だった小林さんは、当時通っていた整体の先生に憧れこの道を選びました。

なんと、今運営している自分の整体のお店は26歳という若さで開業したというのだから驚きです。
その早さについて小林さんは「自分、バカなので(笑)。簡単にできると思って始めたんです」と言って笑います。

しかし、決して「バカだから」なんて一言で片付けられない出来事が23歳の時に起きました。

それは、小林さんにとって大きな存在だったお兄様が原因不明で亡くなってしまったこと。

この時小林さんは「やりたいことをやろう。兄の分まで、そして兄には出来ない生き方をしてやろう!」と自分のこれからの人生を見つめ直し、整体師として、そして自分の店を持つべくして動き出したのでした。

だからこそ、26歳で始めた店。
心に決めていたのは、誰もがリラックスできる場所づくり。

今では口コミで利用者がどんどん増えていき、「これでご飯を食べられるようになって嬉しい」と語ります。

高校野球部員との関わり

冒頭でもお伝えした通り、旭川実業の野球部のトレーニング指導をしている小林さん。

これを始めたきっかけは、現在の野球部の監督が小林さんの同期であり、その監督から直々に声がかかったからでした。

整体師という本業もあるため、週に1〜3回程指導へ出向いているそう。

小林さんが指導する際に心がけていることは、「それぞれ自分で考えさせ、疑問を持ちながらも新たな発見をしてもらう」ということ。

教科書通りではダメなことがある。
だからこそ、ひとりひとりが自分で、自分の感覚を掴んで欲しい、そんな想いで指導にあたっています。

「ただメニューをこなすだけでは『きつい』と思ってしまうこともあります。だからこそ、その子の筋肉を実際に触って、このメニューをやるとこうなるんだよって想像させることも大事なんです。これを繰り返していくことによって、筋肉がついてきた実感も持ちやすい」

大事なのは『共感』と小林さんは言います。
これは整体師の仕事を通じて得た経験。

「こっちが『あれやれ、これやれ』って言うだけだったら、相手も構えちゃいますからね」と話します。

※遠征にて、小林さんが施術するケア風景

勝つだけが結果ではない

こうして学生への指導もしている小林さんですが、試合に勝つことだけが全てではないとその考えを教えてくださいました。

「試合に勝つことは勝って欲しいけど、それよりも今まで伝えてきたことが、本人に伝わってくれたらそれが本望です。トレーニングの取り組み方をはじめ、人間的なマインドの指導もしているつもり。それをそれぞれが理解してくれたら嬉しいですね」

そう話す小林さんは、さらに嬉しかったという出来事を教えてくれました。

「夏の大会の前に、みんなこれまでの思い出をひとりひとり話す時間があるんです。そのとき、ある1人が『小林コーチの言葉が心に残っています」と話し始めました」

監督の言葉、ではなく
まさかの自分の言葉…

そう話してくれた部員は、1年生の頃から試合に出ていた子でした。
1年生のその夏の大会で、あと1試合勝てば甲子園に行けるという大事な試合で負けてしまった時のことでした。

ベンチで泣いていた彼に、小林さんはこう言い放ったそうです。

「1年生のお前は泣くな。そして勝った向こう側のベンチを見てろ。今度はお前たちがあっち側のベンチのようになるんだからな」

そう泣いている1年生の部員に伝えたそう。
その子が3年生になった時、夏の大会を前にして話したこのエピソード。

きっと彼は、強い決心を持って夏の大会に臨めたのではないでしょうか。

誰かの心に届いていた。
その喜びは、今でも忘れることなく、今度は小林さんの胸に刻まれました。

こうして多くの野球部と関わっていくと同時に「若い子と触れ合い、自分もエネルギーをもらえる」と、本業とはまた別の世界も楽しんでいる様子。

今、野球部をはじめとする若い子たちに何かを伝えるとしたら?と聞いてみると、こう答えてくれました。

「情報が多い今の世界で惑わされないで欲しい、自分で感じ取って欲しいと思っています。そして、自分のなっとくする生き方をしてほしい」

そんな小林さんも、まだまだやりたいことがたくさあり、それに向かって走っている真っ最中。

若いフレッシュな野球部員たちに負けじと、自身の人生もポジティブに邁進中です。

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小林さんのtwitterはこちら
https://mobile.twitter.com/8okiMokamoka