100人取材

【インタビュー#2】誰かににそっと手を差し伸べるなおきち。100人に会う挑戦

東京のとある大学生。ツイッター上で「カフェラー」と名乗るなおきちさんは、今年の目標に「100人に会う」という目標を掲げ、現に行動に移しています。

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(※この記事は2018年11月に公開したものです。2018年12月8日に100人達成!!2019年1月26日現在、129名の方とカフェ雑談済みでこれからもこの更新は続いていきます)

この活動を始めたのは、2018年の8月半ば。
なおきちさんにお話を聞いた2018年11月26日現在で、すでに88人達成しているとのこと。

どうしてこの活動を始めることになったのか?その後はどうするの?そんなお話を、なおきちさんにお聞きしました。

会いに来てくれた人に「与えたい」その想いとは

「100人に会う」という企画を始めたきっかけを聞いてみると、なおきちさんは「色々あるんですよ…ありすぎて…どれを話せばいいか迷うくらい(笑)」と言葉を詰まらせました。

「一個は単純に、人と話すのが好きっていうこと。あと最近すごく思うのは会いに来てくれた人に対して、何かしら『気づき』とか『きっかけ』とか、そういうものを与えることができたらいいなっていうのがあって」

実はなおきちさん、自身が悩んでいた時期もあったそう。

「大学に入ってから1年くらい悩んでいました。やりたいことなど明確にあるわけではない中で大学受験を目指して…大学2回落ちたんですよ。その結果、滑り止めの大学に入って、1年半程通っている中で『くすぶっている』って言い方がピッタリだと思うんですけど、もどかしさとか、やるせなさを感じていました」

それが原因の一つとなり、後にうつ病と診断されたなおきちさん。

なんとなく過ごしていた張り合いのない生活に加えて、この時色んなことが重なってしまったと言います。

「今もなんですけど、塾講師をやっていて自分の学歴コンプレックスを教え子たちに解消して欲しい!っていう想いが強すぎたのか、12人担当していて、全員第一志望落ちちゃったんですよ」

さらにその当時、家族や恋人など人間関係もあまりうまくいってなかったそう。

もともと、自分がどれほど溜め込んでいたかなど、あまり気づくタイプではないと話すなおきちさん。これまでも、倒れない限り無理をしていた自分に気づくことはなかったと言います。

「その時期は、家を出て大学に行くまでの道中がしんどくて。涙が勝手に出てくるし、力が入らない。これはやばいなと」

そうして精神科にて「うつ病」という診断を受けたなおきちさんでしたが、その時は「なんならうつ病であってくれって思っていました。病名として知れた方が安心だから」と当時を振り返ります。

「100人に会う」という企画を始めた8月半ば頃には、ほぼ治りつつあり、今度は誰かを支えたい、逆に何かを提供できる立場になりたいと、人と会う活動をスタートさせました。

0が1に。それが、100に。

今では、もう100人のゴールも目前。
これまで上は50代から下は10代まで、本当に幅広い方々と出会ってきました。

この活動を通して、一度会った人とその後も繋がり続けている方も多いと言います。

「繋がっていく『箱』や『ツール』がない状態だと繋がり続けるのは難しかったかもしれないですが、僕が参加している一般社団法人upという、人と人との繋がりを作り出す団体があったのも大きいです」

この団体は、繋がりを作り出し、そして自分のポジションや立ち位置、居場所や生き方を見つけて欲しいという趣旨の団体。
その趣旨のもと、小さなイベントから大きなイベントまでほぼ毎週何かしらを仕掛けているのだとか。

なおきちさんが「100人と会う」という企画で会った人が、その後このイベントに参加して、なおきちさんだけでなくさらに繋がりを広げてくれるということもしばしば。

「僕が会った人同士が繋がれる。自分が出会いを与えるきっかけになったら良いなって思いますね」 とニコリ。

5年程前に発足したこの団体。
そのイベント内容もなんだかとても興味深いものです。

みんなでフットサルや野球をしようといったスポーツのイベントはもちろん、パラレルキャリア(※現在の仕事以外の仕事を持つことや、非営利活動に参加することを指す)で起業した人や独立した人のトークライブなども公式イベントとして開催しているといいます。

「この間はそのパラレルキャリアに関する人生ゲームをやったんです。最初自分の職業を決めて、その後職業を足していけるっていうやつ。3つの職を掛け合わせたらどういう人生になるかっていうのをみんなで話し合うんです。これ結構おもしろいんすよ(笑)」となおきちさんは笑います。

そんなイベントにも参加もしつつ、「100人に会う」を実行中のなおきちさん。忙しそうです。

「本当に初めましてって人に会うのは大体月30人くらい」とひょうひょうと語りますが、それはすごいことです。

ひとつ気になったことを聞いてみました。
会う人の中に、人見知りの人はいないのでしょうか?

「結構いますよ!もうガチガチで肩あがってくる人とか(笑)。だから最初は緊張をほぐすためにも、あえてそこをいじったりしてます。『肩あがっちゃってるじゃないですか!何そんな緊張してんすか!』って(笑)」

笑いを交えながら、そして相手がしっかり自分の想いや考えを話せるようにと、間をつくるように意識しているまさに、聞き上手で話し上手ななおきちさんです。

もう一つ、お酒を飲みながら…ではなく、自分のことをカフェラーと名乗ってカフェで会う理由は?

「飲みだと夜限定になってしまうし…それに僕、あんまりお酒が好きじゃなんですよ(笑)」

なおきちさんを見たことがある人、会ったことがある人、話したことがある人は思わず「え?」と思ってしまうかもしれないそのギャップ。

「飲めそうに見えるから困るんですよ(笑)」と笑います。

この企画を通じて会った人たち

これまで会った人たちは、皆さんとても濃い人たちだった様子。

過去を振り返りながら、絞って絞って出てきた、一番印象深かった人の話を教えていただきました。

「歩いて日本一周している人がたまたま東京に来た時に会ったんです。歩いて日本一周とかするような人たちってめっちゃ行動的でアクティブな人だろうなと思ったんですけど…めちゃくちゃ恥ずかしがり屋だったんですよ!(笑)。『日本一周』って木彫りでつくったものをリュックにつけてるのに、『ちょっと都会だと恥ずかしいから』って外していたり(笑)」

そのもったいないギャップが、今でもなおきちさんの心にクリーンヒットしているのです。

「そうそう、本来僕が会いたい人って『何かきっかけを求めて迷っているひと』『現状に満足していない人』とか、本来活動的じゃない人たちに発信していきたいっていうのがあって。この企画の初期段階で会いに来てくれた人たちは活動的な人が多かったですね」

「でも、この間嬉しいことがあって!」と言葉を続けます。

「この間は、ごく普通の女子大生が会いに来てくれたんです。ふつーに大学通っていて、ふつーにバイトしている子。大学、バイト、家の往復が嫌になってきて、少しでも何かきっかけがあるといいなと思って恐る恐る会いに来てくれたんですよ!これはついに!って思いましたね」なおきちさんが嬉しそうに語ります。

「今後はそういう人たちにも会っていけたらいいなって思ってます」

取材当時で88人達成中。100人のゴールまで、なんともう予定は埋まっているとのこと。達成後のことは今絶賛考え中。

「ただ、一個やりたいことは100人限定イベントをやりたいんです」とニヤリ。

「今まで会ってくれた人たちが集まるイベントやってみたいんです。30人くらいは来てくれるだろうという願望のもと(笑)」

集まった人たちで、自分が何番目になおきちさんと会ったか、なんて話で盛り上がる日が来るのかも。

「まあ、100人達成しても人と会う活動はどういう形であれ続けていきます」

今後の目標や夢は

「目標って僕あんま得意じゃなくて…この活動を大きくしていくことは絶対続けていきたい。upという団体を通じて、upと共に自分自身も大きくなっていきたいですね」

夢についてもその胸の内を語ってくれました。

「夢としては生きやすい日本にしたいなって。デカイ話ですけど(笑)。うつ病とか精神病とか、居場所がないとか、働き方は本業一本とか、そういう現状の日本。それこそ、パラレルキャリアや自分の居場所が増えたらもう少し世界は良くなっていくんじゃないかなって思うんです」

まだまだ他にもやりたいことはたくさん。今後は会社経営、イベント主催、本の出版等を視野に入れているそう。でも原点であるカフェ雑談は続けていきたい…

さらになおきちさんは、ポロッと一言こう言いました。
「ひとつの顔じゃなくて良いと思うんです」

居場所はたくさんあっていい、そのそれぞれで自分の色んな顔があっていい。それでも全部、それは愛すべき自分自身なのだから。そんななおきちさんの想いが伝わってくるようでした。

人と人との繋がりこそが、きっと人生を豊かにする一つの鍵なのかもしれない。
今日もどこかのカフェでなおきちさんの笑い声が響いているかもしれません。

(※2019年1月26日加筆あり)
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